自分より大切なもの
-- 職員室 --
教員達が授業のための準備や業務を行うこの部屋。………なぜこんなにも威圧感があるのだろう。どうもこの扉は教室のそれのように軽々しく開けることはできない。
・・・開けて、何て言うんだっけ?取り敢えずノックか。
コンコン……。職員室のドアを手の甲で軽く叩いた。すると中から「はーい」と女性の声が聞こえた。きっと扉のすぐ傍の席に座っている教師がいつもそうやって返事をしているのだろう。
椿
「失礼しまーす」
ガラガラガラーー…………。
宮田
「お!及川ー!お前元気にしてたかー?久しぶりだな!」
佐古
「……………?」
椿
「あ、宮田先生、どうも。」
・・・この人は体育担当の宮田先生。あまり学校に来ない私にとってそこまで関わりがある人じゃないけど、顔を見るとこうやって気さくに話し掛けてくれるんだ。
宮田
「最近全然 顔見てなかったからよー、心配してたぞー。」
椿
「先生がうちのクラス見るのは週一だからね。」
宮田
「おぉー、その上お前は帰っちゃうしなー。」
佐古
「……及川、ちょっと来い。」
不機嫌そうに立ち上がった佐古が椿の名前を呼び、そのまま部屋に入ったばかりの彼女を職員室の外に呼び出した。
椿
「……あんたが職員室に呼んだんでしょ?」
佐古
「……いいから、来い。」
・・・なんなんだっつの。まだ宮田先生と話してるのに………。
椿
「どこいくの?」
佐古
「……別のとこ。」