愛のかたち

宣戦布告

『咲貴、今日もバイト~??』

朝っぱらから友美が膨れながら言った。


わたしは沢村さんと吉岡さんが辞めたため、何日も遊ぶ暇なく働いていた。

『今日は休みなんだ~。』

今日は1週間に1度のお休み。



その瞬間友美は目を見開いて

『今日、遊べたりするの??』

とまるでしっぽを振って待てをしている子犬のように言った。

『うん、大丈夫。遊ぼう遊ぼう。』

わたしが言うと友美が行きたいところを次々に挙げ始めた。



おいおい、映画にカラオケにクラブてどんだけ行く気だよ・・・。


わたしはそれを呆れながらも笑って見ていた。


放課後、友美は結局カラオケだけに絞ったらしくわたしたちはカラオケに向かうために教室を出た。

下駄箱のところで女の子たちがいつもより騒いでるような気もしたがわたしは気にしなかった。


でも友美もそれに気付いて気になったらしく、騒いでる人たちの中にいる友だちの唯を見つけて話しかけた。

『ね、ね、何かあるの??えらい騒ぎじゃない?』

そう言うと唯は興奮した様子で


『校門のとこにすっごいいい男が3人いるんだ!!今話しかけようと思って作戦中。』

そう言った。


『友美と咲貴が来たら2人にばっかり男の子たちいくから一緒に来ないでよ~。』

と後から付け足された。



『わたしたち彼氏出来てそういうの卒業したから興味な~い!!早く行かないと他の子たちに持ってかれるよー。』

わたしはそう言って友美と立ち去った。
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