愛のかたち
『そのいい男の顔どのくらいなんだろう?』

友美はその男たちを見たいというかのように言った。



いい男っつっても孝浩くんには絶対敵わないだろうなっ。


自分の彼氏をここまでいい男だと思えるなんて幸せだなー、わたし。


孝浩くんはわたしのほんっとに自慢の彼氏なんだ。



『通るときチラッと見ればいいじゃん。』

そう言って運動部が汗を流しながらがんばっているのを尻目に校門に向かって歩いた。


校門では女の子数人がそのいい男だろう、集団になってキャーキャーとぶりっこな声を出しながらはしゃいでいるのが聞こえていた。


『あれっぽいね。囲まれてて全然見えないじゃん。』


わたしが言ったとき、後ろから小走りで唯たちが走って行った。

そしてタイミングよく男の子たちに群がっていた女の子たちはフラれたらしく立ち去っていくのが見えた。


そこにすかさず唯たちが話しかけていた。

『唯たち張り切ってんねー。』

友美がニヤけながら言っていた。



そのときに大声で唯が

『咲貴ー!!!』

と叫んだ。


あまりの大声だったのでつられて大声で返事をした。
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