愛のかたち
学校に着くともう3時間目の終わり頃だった。

う~ん、授業中入るのめんどくさいかも。


しょうがなく人気のない校舎裏をブラブラとして時間を潰し、休み時間になって校舎内に入った。

廊下を歩いているときに誰かが『新垣さん、まじかわいい。』と小声で言っているのが聞こえた。


こういうのは目の前で言うか聞こえないように言えよ。



そう思いながらもちょっと嬉しい気持ちだ。

どんな男であっても可愛いと言われて嬉しくないわけがない。

実はわたしは去年の文化祭でのミスコンで3位に選ばれてたりする。



教室に入ると友美がおそーいと言いながら早歩きでわたしの方に来た。

そんな友美を見て

『昨日はどうだったのよ~??』

と猫なで声でニヤけながら言った。


わたしも恋話は大好きだしこうやって冷やかすことだって大好き。

『番号交換はしたよ。ウフフ。てか咲貴こそ~!!俊くんとどうなのよっ!!』

微笑みながら言う友美は嬉しそう。


『あ、そうだ!今日また恵介くんと遊ぶんだけど俊くんも来るらしいから咲貴も一緒に行かない?』

楽しそうに友美が言うが生憎わたしは今日はバイト。

『わたし今日バイトだもん。ごめん。明日なら大丈夫だけど・・』

行きたいけど行けないというのはほんとに辛い。

ほんっとに行きたいのに。


友美の始まりそうな恋を応援したいし、わたしも・・俊くんにまた会いたい。

だけど今日は昨日も休んでたこともあって休み変わってとは言いにくい。

『じゃあ延期してって聞いてみるね!』

楽しそうに言う友美は恵介くんに会いたいって顔に書いてあるようなものだった。
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