愛のかたち
この日、俊くんは1時過ぎくらいに帰っていった。


知香ちゃん、理沙ちゃん、純くんは何本借りてきているのか、まだDVDを見て大笑いしていた。


『またね。また遊びにおいで。』


笑顔で知香ちゃんも理沙ちゃんも見送ってくれた。

こういうときってやっぱり安心する。

反対されるようだったらやっぱり悲しいんだもん。



『じゃあ、また明日バイト終わった頃に迎えに来るから。』

そう言ってキスを軽くして俊くんは帰っていった。


わたしの大好きな歌のようにブレーキランプ5回点滅なんてことはないんだけど、見えなくなるまでわたしは見送った。


『うー寒い寒い。』


見えなくなると独り言を呟いて急ぎ足で家に戻った。



『咲貴ちゃん、さっきの彼はもう大丈夫なの??咲貴ちゃんがまた傷つくようなことはないんだよね??』


玄関を入るとすぐ純くんがいてすぐにこの言葉を発した。

リビングからは2人の笑い声。

純くんの単独行動だろう。


『たぶん・・大丈夫だと思うけど。いい人だし。』


こんなこと純くんに言われるのは初めて。

ケガしたときに俊くんを見てたから心配になったのかな??


『俺さ、咲貴ちゃんのことは本当の妹みたいに思ってるからちょっと心配になって。次何かあったときはすぐに連絡しなきゃだめだからね。』


そう言って一緒にリビングに戻った。


バカ笑いを続けている2人は純くんが心配してくれていることなんて微塵も気付いてなかっただろう・・・。


でも結局わたしもこの後バカ笑いのメンバー入りしてしまい、次の日学校だということを忘れて夜更けまで大笑いしていた。
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