愛のかたち
『俊くんは・・・仲よくないの??』

タブーと思ってたことをいい機会だったので聞いてみた。


わたしは寝転がったまま、座っている俊くんの手を握って。


『最悪。親は両方とも浮気してるのバレバレだし、兄貴はセクキャバの主任やってて姉貴はそこで働いてる。兄貴は機嫌悪いと女連れ込んで何やってるか知らないし、姉貴は毎日セクキャバの友達連れてきて、その友達が俺にしょっちゅう手出そうとするし。』

『えっ!?』


寂しそうにカミングアウトしてくれたけど最後の言葉でわたしは手をパッと話してしまった。

手出されてるの??


でも俊くんはまたわたしの手を掴んで

『心配されるようなことはしてないよ。』


そう言ってギュッと手を握った。


『いつもキレて追い出してるから大丈夫。だから俺は構ってくれてた愛子に惹かれたんだと思うんだ。親とか兄弟から構われないから心配してくれたのあいつだけで・・・。でも今は俺には咲貴ちゃんがいるし。』


そう言ってまた布団の中にもぐってきてギュッと抱きしめてきた。


『ごめんね、辛いこと話させちゃって・・・。』


そう言ってわたしもギュッと手をまわして抱きしめた。


そして慰めるかのようにわたしは俊くんにキスをした。

自分から舌を入れたのは初めてだった。

でも、このときはこうしてあげたかった。
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