愛のかたち
厄介極まりないし!!

無理無理!!!

今更孝浩くんに会ってじつは村松さんと友達ですなんてどの顔下げて言う言葉だよ・・・。

連絡先も教えてないのに。


『えーあー・・・わたしバイト先はちょっと・・・』

『断るの??』


わたしの言葉を遮り、すごい怖い表情で村松さんが言う・・。

『一緒に行ってくれたら仲良くなれそうな気がするんだけどな。』


脅しですかー!?!?


でも無理なものは無理だよ・・・。

俊くんもいるのに。


『あーいや・・実はビデオ屋さんには彼氏がいて・・・。』


『そんなの関係ないよね??』


また遮られた。

やっぱり・・・怖い。

きっと断ればこれからチクチクいじめられるんだろうな・・・。

でも、孝浩くんには会えないよ。


『ごめんなさい、やっぱり前のバイト先は気まずいんです。ちょっと色々あって辞めてるんで・・・。』


孝浩くんにも会えないけど、やっぱりちゃんと挨拶とかして辞めたわけじゃないので行き辛いのも確かだったりした。


『じゃあ孝浩のこと協力とかしてくれる?彼氏は同じバイト先なわけでしょ??』


村松さんの必死さがかなり伝わるけどかなりウザイ。


『あ・・・はい。』


嫌だなんて言うと殴られそうな気までした・・・。

あまりの迫力に勝手に口がはい。と言ってしまった。


『よかったー。孝浩の連絡先とか知ってる??わたし知らないのよねー。』

わたしは新規の携帯にしたとき、電話帳はそのまま移動してもらったので一応入っている。


でも・・・この言葉はきっと知ってると言えば教えろと言うはず。

わたしが教えたなんて知られたらそれこそ最低な女じゃん。


『いや・・わかんないです・・すみません・・・。』


そのとき、お客様が次々と来て忙しくなったので会話はそれで終わった。


すっごい面倒なことになっちゃったよー。


なんでまた孝浩くんが絡んでくるんだろ。

泣きたくなってくる・・・。


この10分くらいで1ヶ月分くらい疲れた気がした。
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