愛のかたち
そう、クリスマスはうちのお店は忙しいらしく、予約でいっぱい。

休みなんてとてももらえそうな雰囲気じゃない・・・。


『いいよ、別に。クリスマスは・・・バイトが終わってから一緒に過ごそう。』


そう言ってまたキスをしてくれた。

甘い甘いキス。


『バイトとかもあって疲れたでしょ??送るよ。』


俊くんはわたしの髪をなでながら言った。

ふと時計を見上げると針は夜中の2時を刺していた。

明日は土曜日だし、大丈夫だけど確かに疲れもあったし帰ることにした。


ガチャン。


その時、部屋の外から大きな音がした。

どこかのドアが閉まる音。


誰かいるんだ。


わたしたちは部屋のドアを見ていると俊くんがため息をつくように口を開いた。

『遅かった・・・。兄貴と姉貴が帰ってきたかも。』


わたしはお父さんかお母さんだと思ったが、どうやら兄弟みたい。


『じゃあ挨拶して帰るよ。』

そう言ったけどすごく強張った顔で俊くんは


『泊まってける?この部屋にいて。挨拶なんてしなくていいよ。』


そう言ってわたしをまた抱きしめた。


会わせたくないの??

わたしを紹介したくないの??


ちょっとだけ淋しくなった・・・。


でもそんなとき、部屋のドアが開いた。
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