愛のかたち
13.クリスマス
街はケーキを売っている人、サンタ衣装を着た人でクリスマス一色。

クリスマス前からクリスマス色はしていたが、今日本番の日はやっぱり違う。

バイトが休みだったらよかったのにな。


そう思っていたがバイトはわたしの想像以上に忙しかった。

クリスマスということもあり、大奮発でお料理を頼む人が多かったので量がハンパない。





『お疲れ様でした~。』


わたしたちは10時にはあがって店を出た。

高校生は佐々木とわたしを入れて4人。


4人全員で店を出ると粉雪が舞っていた。


『わぁ~雪だっ!!!ホワイトクリスマスじゃん♪』


寒いのにわたしははしゃいでしまった。


まだ、俊くんは来てない。

バイク、大丈夫なのかな??

今日くらいタクシーでわたしが迎えに行ってあげてもいいのに。


そんなことを考えてたときだった。


道から俊くんが来るのが見えた。


『じゃあお疲れ様。また明日ね~!!』


わたしは満面の笑みで3人に挨拶をして道の近くに走った。


俊くんはすぐにわたしを見つけて止まった。


『さみー!!!雪降るとか最悪だよ!!』


そう言ってはめていた手袋とメットをわたしに手渡してくれた。


『手袋ははめててよ。運転寒いよ??』


そう言ってわたしは手袋を返してメットをはめ、後ろに乗ってピタッとくっついた。

手は俊くんのコートの下に入れた。


最初は咲貴ちゃんが手袋してよ。と折れなかったけど負けずに頑固なわたしに負けて結局手袋は持ち主の俊くんがはめた。


どこにいくのかな??

下着とかは持ってきてとは言われてたけどどこに行くのかは聞かされてなかったので、ワクワクしながら俊くんにピタリと寄り添って寒い風を少しだけ浴びながら到着を待った。
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