愛のかたち
バイトが終わり、俊に家に送ってもらうと・・・いつもは閉まったままの車庫に車が・・・。


親が帰ってきてる・・・。


『俊、親がいるわ。ごめん今日は家に連れてけない・・・。』


『うん、たまにしか会えないだろうから家族団らんしておいで。』


そう言って軽くキスをして帰って行った。

ブレーキランプの5回点滅はあの日見て以来は見ていない。


あの日は特別だったのかな??

わたしはあえてふれていない。




『ただいまー。』


その瞬間。


バンッ!!


勢いよくリビングのドアが開いてお母さんが飛び出してきた・・・。

始まる・・・。


『咲貴ぃ~!!!』


ドカッと抱きついてきた。


『お母さん、お帰り。元気そうだね。』

冷めたように言うとお母さんはわたしの顔を見て


『咲貴、あんた食べてるの!?そんな痩せて・・。知香も理沙も咲貴も痩せすぎなのよ!!ご飯まだでしょ!?食べなさい!!』


そう言ってリビングに手を引かれて連れて行かれた。

リビングではお父さんと知香ちゃんと理沙ちゃんがお酒を飲んでいた。


『お父さん、お帰り。』

『咲貴、お帰り。元気してたか??お前も飲め!!』


『いや・・・いい。』

そう言って3人の前に置いてあるマーボー豆腐を皿についで食べた。



この日から親がいることでわたしは直帰ということを余儀なくされた。

知香ちゃんも理沙ちゃんも。

バイトにはお母さんの送り迎え。

俊にもあまり会えない・・・。


毎日のように来ていた純くんはもちろん来なくなった。


親の束縛が始まった。


そしてそのまま12月31日になってしまった。

この日から3日間カプリはお休み。
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