愛のかたち
『理沙ちゃん・・・わたしカウントダウンくらいは俊としたいよ・・・。』


『わたしも・・・純のとこ行きたい・・・。』


わたしはタバコを吸っている理沙ちゃんの部屋に来て愚痴っていた。

親の束縛が激しすぎる・・・。

たまにしかいないから一緒にいてよ~!!と泣きそうな顔でお母さんが言うとわたしたちも戸惑ってしまう。

間違いなくそれが手なのに・・・。


『抜け出して・・いいかな??』

『そうだね。洗面所の窓とか!!』


そういうことでわたしたちの大晦日脱走計画を立てた。

新年の前にお風呂に入ると理沙ちゃんが言い、わたしはトイレに行くと言う。

そしてあらかじめ隠しておいたコートとバッグと靴を持って脱走。







夜の8時半。


わたしたちの脱走計画は見事に成功した。


迎えにきていた純くんと俊。

それぞれにわたしたちは引き取られて晴れてカウントダウンを一緒に過ごせることとなった。

携帯に連絡がくるのはわかってるから電源は切っておく。



『大丈夫なの??』

心配そうに俊が言うけどそんな親とばっかり過ごしてられない。

俊と一緒にいたいんだもん。


『大丈夫だよ。』


『俺の家でいい??それとも・・・ホテル??』

『俊の家♪』


ニヤけていた俊をスルーした。

だってホテルだろうと家だろうとやることはどうせやるだろうし。
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