愛のかたち
『咲貴、来い。』


すごく低い声で俊が言った。

こんな声初めて聞いた。

すごく怖い。

当たり前だけどすごく怒ってる。


わたしは足が震えて動けなかった。

俊を助けに行ったときは怖いだろうに動いたのに・・今回は動けない。


パンッ。


小さな音がして小さく火花が散った。

俊がこっちにタバコを投げたから。


わたしはそこを見つめていると


『咲貴・・いい加減にしとけ。』


そう言ってわたしのほうに歩いてきた。


怖い。

やだ、どうしよう。

俊がわたしの近くに来たとき、目の前にいた孝浩くんが行く手を塞いだ。


『ストップ。冷静になれよ。』


『原口さん、どういうつもりっすか??』


『いいから。話しようか。寒いしさっさと終わらせるぞ。』


わたしは2人の会話を黙って聞いていた。

話の中心はきっとわたし。


でも声さえも出せない。


『何の話っすか?てか・・なんで一緒にいるんすか??』


『俺が咲貴を強引に誘ったから。文句は言えないだろ。お前も前似たようなこと散々してるし。』


『で、話はなんすか?』


キリキリとした空気。

重すぎる。

これから孝浩くんは・・・何を話すの??
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