愛のかたち
『単刀直入に言う。尾上、お前別れた方がよくない??』


『ちょ、孝浩くん!!』


このとき初めて言葉を出した。

同時にわたしは孝浩くんの二の腕をガッと掴んだ。


『やめてよ!!わたしは別れたくなんてないの!!』


『咲貴・・・話したのか?原口さんに・・・。』


俊の顔はあからさまに怒っている。

目は細くわたしを睨んでいる。

わたしはフルフルと首を振った。


『違う。前にお前に財布落ちてたって言っただろ。あのときに免許証見てんだ。誰のかわかんなかったし。そんとき知った。』


『あぁ・・そっか。それがあったか・・・。で、それで別れろと?』


『そうだな。今が楽しければいいだけか?後で傷つくのは咲貴だ。わかってんの?お前。』


『━━・・・・・・・。』


俊、何か言ってよ。

ねぇ・・別れたくないって・・言ってよ!!!

俊!!しっかりしてよ!!

言い返してよ!!!!!!!!


『━━・・わかってます。確かに・・反対されるでしょうね。咲貴の家族に知られたら。そして・・うちも。』

嘘・・・。

どうしてそんなこと言うの?

どうにかするって・・嘘でもいいよ。

言って、お願いだから・・。



『じゃあ好きなだけで動いてんのか?お前は。そんないい加減なのか?傷つけたくないって思わないのか??』


その瞬間わたしは俊の前に走り出して俊の両肩を掴んで揺さぶりながら言った。

必死だった。
< 301 / 386 >

この作品をシェア

pagetop