愛のかたち
電話をすると友美はすごく興奮していた。

『あれからどうなったのー?泊まったらしいじゃーん。』


昨日のわたしたちのことは友美は何も知らなかった。


たぶん恵介くんが俊くんに連絡して、俊くんが泊まると言ったのだろうが、わたしのことまでは言わなかったらしい。

『わたしのことより友美は?どうしてたの?』

わたしはあんまり言いたくなかったので逆に返した。


『恵介くんね、手出さなかったんだけど・・』

言いにくそうに、そして悲しそうに友美は言った。

この言葉にわたしは驚いた。

恵介くんがラブホと書いただろうに手を出さなかったなんて考えられなかった。

『え、なんで?聞いた??』

そう聞くと友美は悲しそうな感じで



『急に飲みすぎて気分悪くなったとかでさ。ひどいよねー・・咲貴は!?』


飲みすぎて気分悪くなるってほど飲んでたような気はしなかっけど、そう言うと友美はもっと嫌な気分になるだろうしそこはもう流しておくことにした。

『わたしね、部屋入ってすぐ帰ったんだ。俊くんすぐ寝るとか言ってベッド入ってさ、好きな子しか手出さないから安心してって言うから。好きな子いるみたいで。』

そう言うと友美もちょっと反応に困っていたので

『わたしは大丈夫。早いうちからとどめ刺されといてよかったよ!!平気♪』

明るく言った。



そして友美が言いにくそうに話し出した。

『わたしさ、余計なお世話だったかもしれないけど聞いたんだ、恵介くんに。俊くんのこと。昨日ね、ホテルで咲貴と俊くん遊んだみたいだよって言ったら恵介くんビックリしてて【あいつ、好きな子いるのに。】って言ってた。詳しく聞きたかったけど気分悪いって言ってたからあんまり聞けなくて・・・。なんか、報われない恋って言ってた。だから忘れたいんじゃない?それで咲貴を好きになりたいとか。咲貴はほんと美人だし!!』



報われない恋か・・。



そう思いながらも友美に

『そうだったんだ。わたしを好きになりたいんならきっと手を出すよ。遊ぼうて言ってきた理由はわかんないけどもういい。でも友美は頑張るんだよ!!』

そう言ってわたしたちはこういう話を1時間半くらい続けていた。
< 32 / 386 >

この作品をシェア

pagetop