愛のかたち
それから、わたしたちには俊くんからも恵介くんからもパタッと連絡がなくなった。

友美が恵介くんに連絡してもあれ以来連絡が取れないらしい。

わたしは俊くんに連絡をする理由もなかったので全くしなかった。

そして入ってこなかった。


あの日、あの誘いは何だったのかわからないまま季節はだんだん夏に近づき、制服はいつの間にか夏服にも変わった。

プールの授業も始まり、それがすごくダルかった。


男女がプールに一緒に入るというと目線が気になり女としては恥ずかしい。

実際すごく目線がわたしは気になっていた。



学級委員という仕事も1学期はとくに大きな行事もなく、適当にこなしていた。

わたしがサボった時は浅田くんという人がしていたらしいけど文句も言わずやってくれていたので丸く収まっていた。

浅田くんとは同じ学級委員というのにほとんど会話をしなかった。

よっぽど嫌われているのか、話しかけにくいのか・・・。



わたしたちはあれからも合コンという名の会合にはよっぽど用事がない限り顔を出して色んな人と交流を深めていった。

わたしはやっぱりなぜだかモテるらしく、色んな人から交際を申し込まれることが多々あった。

でも、何かがその人らには足りなくて付き合うということまではしなかった。


何かが足りないんじゃなくて、俊くんと重ねちゃうんだよね。

もし、俊くんに好きだと言われてたらどうなっていたのかな??

考えたりしたけどありえない話だったので悲しくなるので途中で考えを遮断した。

やっぱりちょっとではなく相当惹かれてたみたい。



友美は夏休みの前くらいになると合コンで出会った可愛らしい男の子と付き合うことになった。

その人がウエンツ瑛士に似てると思ったのはきっとわたしだけではないはず。


ハーフらしいし外見はよかった。

中身は・・・わたしにはいい人とはあんまり思えなかったけど。


拓海はサッカーの試合の前に足を捻挫したらしくファンの子らからすごく心配されていた。

家に遊びに来たときは理沙ちゃんからけなされていたけど。

そして楽しみな夏休みが明日から始まる。
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