愛のかたち
でも・・・遠くなると俊が渋滞に巻き込まれたりするじゃん。

事故にだって遭う可能性出てくるじゃん。

そんなことを次々と考えるわたしの表情は険しかったんだろう。


『俺は大丈夫だから。ね、いいでしょ??』


『━━・・・うん。俊がいいのなら・・・。』


すると優しい顔で俊は笑みを浮かべた。


『よかった。これでもうずっと一緒にいれる。』




こうしてわたしたちは8月の中旬、少ない荷物を持って大学の近くの4階建てのアパートに引っ越した。

階ごとには2部屋しかない小さなアパート。

でも駐車場もあって、交通の便もいい。

そして何よりも大学が近いのはやっぱり嬉しい。

ここまでわたしを考えてくれる俊にはほんと感謝しなきゃ。



『俊、わたしをいつも優先してくれてありがとう。』


こう言うと必ず俊は照れた仕草を見せる。


そして


『別に。』


とそっけない言葉を残して席を立つ。



可愛い、やっぱり。
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