愛のかたち
ご飯をちょうど食べ終わったくらいに原口さんから着いたと連絡があった。


わたしたちは会計をしに行くと友美が

『お祝。』

と笑いながら今日のお昼代を出してくれた。


わたしは御礼を言って

『早くわたしにもお祝させてね!!』

とちょっと意地悪っぽく言ってやった。



友美は自転車に乗って原口さんの車のところへ行き、挨拶をして帰って行った。

ニヤけながら、よかったですねー。とも言ってたけど。


わたしは友美を見送ったあと、助手席に乗り込んだ。

『ありがとうございます、わざわざ。』

そう言うと原口さんはわたしの顔を見ていた。


『ほんとに、いいんだよね?付き合うの。』

原口さんは疑い深いのか、まだ聞いてきた。

『こんなこと、嘘つきませんよ。よろしくお願いします。』

わたしはそう言って頭を下げた。

原口さんもつられて笑いながら頭を下げていた。



それから原口さんは車を走らせながら

『この前、海に新垣ちゃんが一緒に行ってた彼、かっこいいし素直そうだから絶対そっちに行くとしか思ってなかった。俺、ほんとに大切にするから。』

そう言って原口さんは左手をわたしの頭にのせた。



この日から原口さんはわたしのことを【咲貴】と、わたしは原口さんのことを【孝浩くん】と呼び始めた。
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