愛のかたち
サバイバーに着いてから、友美が原口さんに早く返事を言えとひつこく言ってきた。


友美に背中を押され、わたしはサバイバーから原口さんに連絡することにした。



まだ大学は夏休みだし、今日は原口さんもわたしもバイトは夕方からだったから電話に出るだろうと思って。


緑の通話ボタンを押すとコール音が4回くらいなって原口さんの低い声が聞こえた。

『もしもし。』


出た!!!ちょっと緊張・・・。


そう思いながらもわたしは返事を言うために口を動かした。

『こんにちは。今大丈夫ですか??』

『うん、拓也の家でゲームしてたんだ。どうかした??』

そういわれてみれば、何かサッカーの実況のような声が電話口から聞こえていた。



『いや、あの・・、じゃあいいです。』

近くに拓也くんがいるということだったのでバイトが終わってから言おうと思った。

『え?どうした??今拓也から離れたから。何かあった??』


原口さんはちょっと心配そうに言った。

『いや、そんな、別に何もないんです。ただ、返事しようと思って・・・。』

そう言うと原口さんは黙った。


『あの、この前のことなんですけど━━・・わたしでよかったら━・・お願いします。』

そう言うとすごく大きい声で

『え!?ちょっ、まじ!?』

と驚く声が聞こえた。


わたしは笑いながらはい。と答えた。

その様子を友美がニヤニヤしながら見ている。

うざー・・・っ

『新垣ちゃん、今何してる??ちょっと会いたいんだけど、会える??』


そう言われたので友美に受話器を塞ぎながら、この後帰っていいか聞くと、もちろんOKと言われたのでご飯食べた後ならと言うと、サバイバーに迎えに来ると言われた。


お迎えをお願いして、わたしは電話を切った。

『原口さん、嬉しかったんだろうね。すぐ会いたいくらい。』

またニヤニヤして言う友美にわたしは

『もう・・いいって!!友美うざすぎ!!!!』

と照れながら言った。
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