私は冷たい人間です
ガタンガタン
大きな揺れが続くが、何も掴まなくても問題ない。
なぜなら、人という名のクッションに挟まれているから。

朝の電車は嫌いだ。
人が多いから。ただそれだけ。
でもそんな理由で、乗っている人を恨んじゃいけない。
それぞれの大切な用事のために、沢山の人は頑張って乗り込む。
逆に、この混雑を好む人はいるんだろうか。
その機会を上手く使って有意義な事をできる人は賢いだろう。
でも、それが周りに不快な思いをさせるのであれば、それはただの大馬鹿者だ。
つまり、その大馬鹿者がいたら罰さなければならない。
よって、私の左隣にいる中年男性に罰を与えればならない。


視線を左斜め下に向ける。
二つ結びの女子中学生のスカートに伸ばされている、中年男性の手。
まじ汚ねえ
しかも、その中年男性の横にいる初老男性はそれを見て興奮してる。
ざけんな、ブチコロだぞ★って目の前で言ってやろうか?

私は冷たい人間なので、このおっさん達の未来を案ずる優しさなんてものは一切持っていない。

という思考をやく2秒で頭でまとめた。
残るは行動のみ。

あのぉー、
「何で女子中学生のスカートを約50代男性のあなたが触ってるんですか?」
周りの人が視線が一瞬で集まる。
そりゃあ、声のボリュームをあげましたから。
「な、なんだよ!何もやってねえわ!濡れ衣やめろや!」
おっさん、声裏返りっぱなしだけど、どうかした?
「え!本当ですか!そんな!本当ですか??」
目を見開き、声のトーンを上げる。
「いや、、、えと、これは、」
「あ!ごめんね!私のせいで注目浴びちゃって恥ずかしいよね!」
泣いている女子中学生を抱き寄せ、汚ねえ中年男性の腕を掴む。
「本当に2人に申し訳ないことしました!誠意を持って、謝らせてください!」
どっかの駅に着き、丁度ドアが開く
「お、おいちょっと!」
そのまま2人を引っ張りドアに向かう。

あ、あと
「ブチコロだぞ★」
って言ってやった。初老野郎に
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