初恋以上、失恋未満
高校生とイタズラ犯

大図書館、それから


1:第図書館、それから
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もうすぐ高校3年生になるという春休みに、読書感想文の課題が出された。


新3年生は就職や進学を控えているから、一番時間のある春休みのうちに読書経験と文章力を身に付けさせる、というのが名目らしい。
当然、クラスメイトからは抗議の声があがったし、先生だって春休み明けに読書感想文を読むことにげんなりした様子だった。


(うーん…読書感想文3つは面倒くさいなぁ…)


バスの窓から春らしくない強い陽射しが射し込み目元を照らす。その眩しさに目を細めて、手元の鞄に視線をずらした。成績には関係しないらしいけれど、出来がいい感想文はコンクールに申し込まれて、内申点にも加点してもらえるらしい。

( はやめに終わらせちゃいたいけど、そう言われると…が、がんばらなきゃ )

きゅっと小さく意気込むとバスが減速する。


『 間もなく千代原図書館前、お降りの方は降車ボタンをーー 』
「あぁっ お、おりますっ!」

慌てて立ち上がると転びそうになりながらバスを降りる。


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