わたしの願い

龍希side




遊園地なんて、いつぶりだろう。

記憶にある限りでは1.2回くらいだ。

愛ははじめてだといった。

それをきいて少し驚く3人。

「そっか」

でもそういった顔はなんだか申し訳なさそうな顔にみえて。


この3人に過去を話したときのことは今でも思い出せる。

3人とも静かに聞いてくれた。葉月や奏は少し泣きそうになりながら。

でも3人とも否定的なことは一切いわなかった。

「つらかったね」とか「大変だったね」とか。

それよりも「頑張ったね」、「愛が生きててよかった」、「わたしは愛のこと大好きだよ」って。

そんな言葉をたくさんかけていた。


愛の話しに俺の話。

きっとなかなかないくらいに重たくて、つらい話だったと思う。

こんな話は、どうでもいい人にはできない。

この3人だったから。昴と葉月と奏だったからできた話だった。

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