わたしの願い


「もしかしてお姉ちゃん龍希くんのこと好きとか?」


「そ、そんなわけないじゃない」


「あはは、だよね。釣り合うわけないし」


そんなこと言われなくたってわかってるのに、遥にいわれると余計つらい。




「ごはんできたよー」


下から呼ぶ声がして遥は「いまいく!」と答えた後、「あの頃みたいにどうせなるんだから」と低い声でいった。




・・・あの頃。

それはいまでも思い出したくない過去だ。



唯一、わたしを好きだと言ってくれた人からの裏切りなんて・・・。



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