【社内公認】疑似夫婦-私たち(今のところはまだ)やましくありません!-
森場くんが褒めてくれたのは、私が乙原さんとの打ち合わせで〝何もアイデアを出さないのは気まずい……〟と、自信がないながらも絞り出した案だった。
あの場でも軽く褒めてくれたけど、本当に良いと思ってくれているとは思わなくて。
「企画なんてそんなもんです。最初はただの思い付きで、それがなぜ良い企画なのかは後から言語化して形にしていくもんでしょ。あれはもう吉澤さんの企画の第一歩ですよ」
まだ何も形になっていないのに、もう何か報われたような気持ちになった。認めてもらうって嬉しい。認めてくれた相手が森場くんで、更に嬉しい。
彼は更に殺し文句を言った。
「吉澤さんがプロジェクトにきてくれてラッキーでした」
「わっ……私も! 私もこのプロジェクトに入れて、ラッキーでしたっ……」
「そう? そう思ってくれると嬉しいなぁ」
ほのぼのと胸が温かくなるやり取り。
――この時の私は、自分が誰の策略で今ここにいるのかを知らなかったのです。
あの場でも軽く褒めてくれたけど、本当に良いと思ってくれているとは思わなくて。
「企画なんてそんなもんです。最初はただの思い付きで、それがなぜ良い企画なのかは後から言語化して形にしていくもんでしょ。あれはもう吉澤さんの企画の第一歩ですよ」
まだ何も形になっていないのに、もう何か報われたような気持ちになった。認めてもらうって嬉しい。認めてくれた相手が森場くんで、更に嬉しい。
彼は更に殺し文句を言った。
「吉澤さんがプロジェクトにきてくれてラッキーでした」
「わっ……私も! 私もこのプロジェクトに入れて、ラッキーでしたっ……」
「そう? そう思ってくれると嬉しいなぁ」
ほのぼのと胸が温かくなるやり取り。
――この時の私は、自分が誰の策略で今ここにいるのかを知らなかったのです。