初恋人
「……よしっ」
背中まで伸ばした黒髪をポニーテールでキュッと結び、鏡の前でそう呟く。
白のカッターシャツに水色チェックのネクタイにスカート、V字に白のラインが入った紺色のセーターに紺色のブレザー。
すべて真新しくシワ1つない制服に高校生になる実感が湧いてきた。
「行ってきます!」
玄関先でそう叫びドアを開ける。
待っていたのは2人の男の子。
茶髪で無愛想な市ノ瀬柚樹、黒髪でにこやかな笑顔をこちらに向ける大野夏樹だ。そして私、星宮彗衣の3人は幼馴染の関係。
家が隣同士ということもあり親ぐるみで親しい仲。
そんな2人と今日から高校生になる。
期待に胸を弾ませて「おはよう」と叫ぶ。
「おはよっ、彗衣。」
「ったく、おせーよ。」
「そんな事言って、いつも寝坊して待たしてたのは柚樹でしょ。」
「仕方ねーだろ。眠いもんは眠いんだから」
「そんなの言い訳になりませーん」
「おい、喧嘩売ってんのか?」
「先に言ってきたのは柚……」
と、そこで「はい、ストップ」と夏樹が2人の間に割って入った。
「朝からいつもの言い合いはやめろよ。ほら、そろそろ駅着くから」
柚樹とはいつものようにこんな言い合いをしている。そしてその言い合いをいつも夏樹が止めてくれるのがお約束だ。
駅に着くと、すでに電車は来ていた。そして駅の中は通勤のサラリーマンや制服違いの高校生で集中している。
そこからガタガタと揺られながら30分、目的の場所で降りるとすぐに見えてくるのは空瀬高校とかかれてある門と最近建て替えられたと噂の校舎。
入学おめでとうと立てられている看板の横の門をくぐると視線が3人に集中した。
「え、あの2人かっこいい。」
「ポニーテールしてる子可愛くね?」
そんな事を口々に言う中3人は全く気にしない。むしろ自分達が言われているという自覚がない。
当の本人達は「今年も同じクラスなれるといいね。」
「あ、夏樹、また勉強見てね。」
「夏樹、またノート写させてな。」
などと呑気な事を言っていた。
背中まで伸ばした黒髪をポニーテールでキュッと結び、鏡の前でそう呟く。
白のカッターシャツに水色チェックのネクタイにスカート、V字に白のラインが入った紺色のセーターに紺色のブレザー。
すべて真新しくシワ1つない制服に高校生になる実感が湧いてきた。
「行ってきます!」
玄関先でそう叫びドアを開ける。
待っていたのは2人の男の子。
茶髪で無愛想な市ノ瀬柚樹、黒髪でにこやかな笑顔をこちらに向ける大野夏樹だ。そして私、星宮彗衣の3人は幼馴染の関係。
家が隣同士ということもあり親ぐるみで親しい仲。
そんな2人と今日から高校生になる。
期待に胸を弾ませて「おはよう」と叫ぶ。
「おはよっ、彗衣。」
「ったく、おせーよ。」
「そんな事言って、いつも寝坊して待たしてたのは柚樹でしょ。」
「仕方ねーだろ。眠いもんは眠いんだから」
「そんなの言い訳になりませーん」
「おい、喧嘩売ってんのか?」
「先に言ってきたのは柚……」
と、そこで「はい、ストップ」と夏樹が2人の間に割って入った。
「朝からいつもの言い合いはやめろよ。ほら、そろそろ駅着くから」
柚樹とはいつものようにこんな言い合いをしている。そしてその言い合いをいつも夏樹が止めてくれるのがお約束だ。
駅に着くと、すでに電車は来ていた。そして駅の中は通勤のサラリーマンや制服違いの高校生で集中している。
そこからガタガタと揺られながら30分、目的の場所で降りるとすぐに見えてくるのは空瀬高校とかかれてある門と最近建て替えられたと噂の校舎。
入学おめでとうと立てられている看板の横の門をくぐると視線が3人に集中した。
「え、あの2人かっこいい。」
「ポニーテールしてる子可愛くね?」
そんな事を口々に言う中3人は全く気にしない。むしろ自分達が言われているという自覚がない。
当の本人達は「今年も同じクラスなれるといいね。」
「あ、夏樹、また勉強見てね。」
「夏樹、またノート写させてな。」
などと呑気な事を言っていた。