可愛がりたい、溺愛したい。



学校に向かっているときも。

いつもなら学校の最寄りまでは手をつないでくれるのに、最近はつないでくれなくなった。


べつにケンカしたとか、そういうわけではないし、依生くんの態度はいつもと変わらないし。



前々から、あれだけベッタリしていたのに突然触れてこなくなったことに対して、不安が少しあったり。


……わたしに興味がなくなったのかなとか、

他の子に気持ちが向いたのかなとか、


またしても負のループにはまってしまう悪いくせ。



正直、片想いのほうがぜったいつらいだろうとか思っていたけど、

いざ彼女になってみたら今度は不安が尽きなくて。


なんにせよ、恋愛って全然ラクじゃないし、悩みが尽きないもの。

< 336 / 360 >

この作品をシェア

pagetop