私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『私…前にも言いましたよね。一弥先輩が菜々子先輩に告白するのを見たって…あの時、すごく悲しくて、つらくて…』


『恭香ちゃん…』


『確かに、私は、一弥先輩のことが好きでした』


言ってしまった…


『…でした…?もう過去形なの?』


『ごめんなさい。私…本当に最低なダメな女なんです』


深く頭を下げる私の肩を、一弥先輩が優しくつかんだ…


そっと、私が顔を上げると、一弥先輩が私を見下ろした。


こんな近くで、一弥先輩を見たことは、今まで無かったな…


整った綺麗な顔…


肌もスベスベで…


吸い込まれそうな二重の大きな瞳が、私のこと、捕まえて離さなかった。


目で殺すって…


こういうことなのかな…


私…


一弥先輩が、ずっとずっと好きだった。


心の奥から溢れ出すその想い。


嫌だ、また涙が出てくる。


本当に泣いてばっかりで…


涙腺緩すぎ…


一弥先輩は、その涙を優しく指で拭いてくれた。
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