好きになるには理由があります
 



 服をつかんでダッシュしたけど、後ろは丸見えだったな……。

 マヌケが過ぎる、と浴室で落ち込んでいた深月だったが。

 次の瞬間には、思ったより広い、洗練された浴室に圧倒されていた。

 すごいなー。
 
 デカイ船だと外から見ても思っていたが、中も広いな。

 それでも、やはり、船の中。

 広さには限度があるのだが、それを補ってあまりある感じに快適に設しつらえてある。

 ……まだ五時半か、と浴室の壁にはめ込まれている時計で、深月は確認する。

 でも、呑気に湯船に浸かるのも、状況的にちょっとな~と思っていると、誰かがドアをノックした。

 ひっ、と深月は身をすくめる。

 誰かって、支社長しか居なかったからだ。
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