好きになるには理由があります
「湯に浸かって、ゆっくり入れ。
 まだ時間はあるから。

 俺も後から入るから溜めておいてくれた方がいい」

「あ、ありがとうございます」
と言いながら、深月は急いでお湯を張った。

 わー、すごい勢いで湯が出るっ。

 船なのにー、と眺めた風呂の水面に、わー、と呑気に喜んでいる自分の顔が映って、はっとする。

 いやいやいやいやっ。
 こんなことで喜んでてどうするっ?

 しかも、全裸で湯船の側にしゃがんで、ずっと湯が出るの眺めてるとか子どもかっ、と自分で思った。



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