好きになるには理由があります
 


「お、おはようございます~」

 最近……かなりの確率で出会っている気がするんですが、杵崎さん。

 翌朝、駐車場でまた杵崎と出くわした深月は笑顔を押し上げ、挨拶した。

「……おはよう」
と杵崎は言う。

 ……睨まれている。

 いや、目が悪いからか。

 どちらにしても怖い、と思いながら、深月が総務と支社長室のある建物に入ろうとすると、杵崎も来た。

 駐車場側の入り口は自動ドアではない。

 杵崎と同時にドアの取っ手に手を伸ばすと、バチッと音がした。

「いたっ」
と深月はドアから手を離し、杵崎は無言で手を押さえていた。
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