好きになるには理由があります
 由紀ほどの派手さはないが、純も洗練された美人だ。

「……なにがいいんですか。
 おもいっきり緊張しましたよ。

 っていうか、関谷さんたち、普段、杵崎さん苦手って言ってるじゃないですか」
と深月は言ったのだが。

「そうなんだけど。
 イケメンはイケメンじゃん。

 ちょっと神経質そうだけど。

 それに……」
と言った純は周囲を見回したあとで、小声で言ってくる。

「杵崎さんって、ちょっと訳ありで此処に居るって、前の支社長が言ってるの訊いちゃったんだ」

「えっ?
 訳ありってなんですか?」

 そんなに大きな声でもなかったのだが、声がデカイッと言った純は、近くに寄れと手招きしてきた。

 二人で更に身を乗り出し、カウンターの上で小声で話す。
< 32 / 511 >

この作品をシェア

pagetop