好きになるには理由があります
「杵崎さん、事情があって、此処に居るみたいなんだけど。
 この間、支社長が杵崎さんのこと、英孝(ひでたか)って……」
と言いかけた純がピタリ、と話すのをやめる。

 すぐ近くに陽太が居たからだ。

 なにこんなとこウロウロしてんですかーっ、と思う深月を、陽太は、なにやってんだ、仕事しろよ、という目で見ている。

 二人で、慌てて、カウンターから離れ、
「おっ、お疲れ様でーすっ」
と陽太に向けて微笑んだ。





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