本当に私のこと好き?




「まぁ、そのおかげで俺は我慢に我慢を重ねた結果
りかの彼氏の特権を得たんだ」

「特権って…………大袈裟………」

「大袈裟なんかじゃない………
欲しくて仕方なかった特権だよ
りかは無自覚なんだよな………」

「…………」

「俺以外にもりかを狙ってるやつは居たからな
実際、口説かれたりもしただろ………」

「口説かれるなんて…………」

「無いとは言わさないよ
取引先でもあったよな…………
その度に俺がどれだけ胃を痛めたか………
でも、あの時………彼女と別れた時に俺が告白しても、りかは断ったよな?
俺は良い先輩だったろ?」

「…………うん」

「だから、我慢して良かった
まさか、バレンタインデーにりかから言ってくれるとは思ってなかったから舞い上がった
嬉しくて、影でガッツポーズしたし」

「えぇ?」


私が伝えた時、"いいよ"ってクールに言われただけだ
ガッツポーズ?


「でも、付き合ったら………
めちゃくちゃ可愛くて、堪んなくて
手繋いで、キスして、エッチして………
そんな順序が嬉しくて
でも、ガッついてるって思われたくなかったから冷静なフリして
でも、わかったわ
言葉にしたら、もっと可愛くて、もっと好きになる
もう二度と離せなくなるから、セーブしてたんだよな
りか、覚悟できてるよな?」


ジリッと追い詰められて、咄嗟に逃げたくなるのは人間の性ではないでしょうか


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