本当に私のこと好き?




そんな私の行動なんて読んでた様に私の腰を引き寄せた



「逃げんなよ…………
りかが俺の箍を外したんだからな」


更にグッと引き寄せて額をくっ付けてきた
突然近くなった距離に戸惑いながらも嬉しくて

話をしよう、と言いながら自分の事ばっかり話して!と怒りたくなったけど
"りか、大好きだよ"の言葉が全てをクリアにしてしまった
私も大概現金な女だ


そのままキスをしそうな程に近くて、甘い雰囲気に流されそうになった時あることを思い出した
少しだけの意地悪も含めて


唇が近づく前に手で遮った


「なんで?今、キスの空気だろ、させろよ」


そんなムードも何もない言葉


「山下くんと部長なんだけど」


ピクッと慶太が反応して"はーっ"と大きなため息と共にギロッと睨まれた


「後で覚えとけよ」

「わ、私、別れの撤回してないし」

「なっ、お前………」


半年間いっぱい悩んだ
半年間いっぱい泣いた

近くにいる慶太が嬉しいくせに


「山下くんは仲良しの同期だよ」

「仲良しってのがムカつく」

「で、でも、山下くんは好きな子がいるって、同期会でも相談されるよ?」

「その、好きな子がお前
あと、同期会な、それも行かせたくないから」


さっきまでの甘い雰囲気が一変
いや、変えたのは私だけど

相変わらずの俺様ぶりと言うか………
反論させない口ぶりにこの半年間を思い出す

でも、違うのは誤魔化そうとしない





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