都の剣〜千年越しの初恋〜
「……そうだな」

葉月も微笑み、頰にそっとキスをする。ふわりと柔らかな感触に、沙月は目を閉じた。

「そろそろ、行くぞ?」

葉月の声に、沙月は頷く。運命をかけた戦いが、今、幕を開ける。

「みんなで協力するんだ!みんなで攻撃すれば、ヤマタノオロチを倒せる!!」

葉月の強い言葉に、妖怪たちは「おお〜!!」と掛け声を上げ、ヤマタノオロチに向かって走って行く。

葉月と沙月も走り出した。



イザナギからヤマタノオロチを封印しろと言われた時、沙月と葉月はこう言われた。

「ヤマタノオロチを弱らせることには協力しよう。ただし、封印するのはお前たちだ。もしもできなければ……どうなるかわかっているだろう……?」

ヤマタノオロチを封印する方法は、沙月も葉月もわからない。そのため、ヤマタノオロチを弱らせている間にオモイカネと金次郎に調べてもらうことにしたのだ。

「一応、霊を封印する時に使う術も試してみよう」

葉月がそう言ったため、桜姫と春太郎と幸子は儀式の準備をしてくれている。
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