クール王子ととろける溺甘♡同居
*
「ここが、小山さんの部屋」
「……あっ、ど、どうも」
二階へと続く階段を上り、右側に2つあるドアのうち奥側の部屋に案内された。
荷物を運んでくれた須永くんに、目を見ないままそういう。
「俺の部屋は隣だから、なんかあったら声掛けてくれたらいいから」
「……はい、」
「あとは……ちょっと来て」
それだけ言って部屋を出て行く須永くんについていき、一階の、リビングやお手洗い、お風呂の場所を軽く案内してもらった。
本当に広くて綺麗なお家で、素敵だなぁと感心しながら、再び自分の部屋へと戻って。
「ほかに、何かわからないこととかある?」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございました」
一度も顔を見ないまま、須永くんの立ってる横に置かれた自分の荷物を見つめてそう答える。
「そう。じゃあ」
彼のその声で、やっと一人になれる、そう思って、ホッと胸をなでおろした瞬間。