クール王子ととろける溺甘♡同居
「……別に好きじゃ」
「耳真っ赤だけど」
「……ちょっ、」
二見くんは、右手にしてた軍手を外すとその手で私の耳に触れた。
「可愛い反応するじゃん。誰かに教わった?」
「さ、触らないでっ、」
とっさに触れた手を振り払う。
二見くんがわからない。
昔も今も、彼のことがなにもわからない。
なんでこんなことしてくるの。
私のことをからかうのがそんなに面白い?
彼に反省の色がないんだもん。許す許さないの問題じゃないよ。こんなの。
「よくある話でしょ?弱った女の子に救いの手差し伸べるふりしてさ。あいつだってそんなもんだよ。小山のこと利用してんだよ。そんなこともわからない?ほんと小山、昔からなにも変わってないね。そんなんだからいつまで経っても舐められるんじゃん」
「……っ、」
何にも知らないくせに。
希夜くんのことまでも悪くいう二見くんがほんとうに憎い。
「またそういう目で俺のこと見る」
「だってっ、」
キッと睨みつけながら、声を出そうとするけど、怖さで思うように出てこない。