クール王子ととろける溺甘♡同居
希夜くんは、二見くんとは違う。
全然違う。
「おーい、そこ、ちゃんと拾えよ〜〜!」
遠くから先生がこちらを見てそう言ってるのが見えて、私たちは渋々ゴミ拾いを再開する。
なんで、二見くんとゴミ拾いなんて。
中学の頃、目立つ感じのいわゆるちょっと不良なグループにいた二見くん。
それなのに、今、県内で1位、2位を争う進学校のジャージを着ていることも鼻についてしょうがない。
中学の時、頭は良かった。
頭いいのになんであんなグループにいるんだろうとも思ったし。
いや、どうでもいいじゃん。
二見くんの学力がどうとか。
私には関係ないことだし。
早く、ゴミ拾いを終わらせよう。
それから、二見くんとは一切話さないまま、黙々とゴミ拾いをする。
無視だ無視。
これ以上、話しかけないでオーラを醸し出しながら。