クール王子ととろける溺甘♡同居
「助けたよ、ちゃんと」
「えっ─────」
「不登校中だった彼女、転校する前に一度だけ教室に来たんだ」
「えっ、そうなの?」
私の問いに二見くんが頷く。
「その時に、教壇の前に立っていったんだ。
『最悪な学校生活でした。ずっと死にたかったです。でもこんな私のことを助けてくれた人がいたから救われました。最悪な学校にそういう人が1人でもいたってだけで私の希望になりました。最後に少しでもこの学校で良かったと思えてよかった。そのままの気持ちで、ここを離れます』って」
二見くんの声を通して聞かされる、事実に、私の涙腺は我慢に限界がきて、ツーと涙を流してしまった。
私がやってたことは何も間違っていなくて、ちゃんと彼女の糧になれていた。
そう思うだけで、胸がギュッと締め付けられて、なんて言っていいかわからない感情に襲われる。
嬉しい。
そして、どうせならもっと、彼女と友達になれていたらって。