クール王子ととろける溺甘♡同居
「多分、あの教室の中で、彼女のことを助けてあげなきゃって心の中で思ってた人はたくさんいる。それでも、結局どんな形でも誰も助けてあげることができなかった。もちろん俺もその中の1人。人と違うことをするのってすげー怖いことだし。でも、小山はそれをやった。それを臆病とは少しも思わないけどね」
「……っ、」
「だから、ほっとけなかった」
気がつけば手当てを終えていた二見くんは、怪我してない方の手の指のはらで私の涙を優しく拭った。
「大人しい見た目して、中身は正義感の塊だから、いざとなったら自分のことなんておかまいなしに平気でなんでもしちゃうと思ったから。守らなきゃって、思った」
最後の彼のセリフに、トクンと心臓が跳ねた。
嘘。
おかしい。
だって、私はこの人のことが嫌いだ。
友達との賭けのゲームでキスができて、無理やりひどいことをしようとした、彼のことが。