焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

乾くかな?これ。

「失礼いたします」

「あっ、すみません」

アパレルの店員さんみたいに慣れた手つきでカーディガンを脱がしてくれて、棚から数枚タオルを渡してくれた。

真っ白なタオルはふかふかだ。

いい匂い。

「こんなに雨に濡れてまで、どうして今日来てくださったんですか?さっき店長と話してたみたいですけど」

「今度お店でイベントを開催するじゃないですか。そのサイトを作るためにデザインを考えてほしいって頼まれて」

「ああ、和花菜さんは広告関係のお仕事をなさってるから。企画進行だけじゃなくて制作もしてるって天崎から聞きました」

成宮さんは喋りながらも、新しいタオルを用意してくれたり濡れたバッグも手際よく拭いてくれている。

スーパーで見た人って、本当に目の前にいる成宮さんだったのか……?
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