焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「当然のことですから。またのご来店をお待ちしております」
私もお辞儀をして、お店に背を向ける。
もうすっかり雨がやんだ秋の空を見上げれば、綺麗に星が瞬いている。
お店に入った瞬間から帰る時まで、成宮さんは笑顔を絶やさず完璧だった。
「やっぱり、あれは夢……?私は夢でも見てたんじゃないか?」
あり得る。自分で考え出した幻影だったんだきっと。
そう考え直して、カーディガンにそっと触れた。