藍と未来の一つ屋根の下
「おまえ、だいたいそんな変な噂信じるなよ」


「だって…藍が他の子と付き合ったら…」


未来は気が付いた。今までずっと当たり前に一緒にいた藍が自分の当たり前からいなくなったら…?


「だからないって言ってるだろ」


藍の口調にイライラが滲み出す。


「だってママが藍くらいの年齢だと色んな女の子に興味あるって…」


藍は突然未来の両脇に手を入れると、身体を浮かせてそのままソファーに押し倒した。


「なに!?」


当然のことに未来は目を見開いて藍を見上げる。


いつも目尻を下げて優しく微笑む純と違って、藍の切れ長の目が特徴の顔はあまり表情を変えない。


「有里華さん今日帰ってくると思う?」


「た、多分…今日は帰ってこない」


どうしてそんなこと聞くの?
と、聞く前に、未来の部屋着のパーカーのジッパーが下ろされた。


「藍!?なにしてるの!?」


「俺くらいの年齢の男が好きなこと」


藍の顔の表情はいつも通りポーカーフェイスだったけど、目が意地悪そうに光っていた。
< 117 / 148 >

この作品をシェア

pagetop