藍と未来の一つ屋根の下
そっとスマホを開いてLINEを開く。

『美味しかったってばーちゃんに伝えといて』

未来が送ったLINEに既読がついたまま、藍からの返事はなかった。

「お待たせ〜♪」

急に声がして、マー君たちが現れた。

「マー君きましたー!!」

美咲が大げさに叫ぶと、マー君の後ろの2人の男も手をあげる。

メガネをかけた細身の北野と、K大生の純。

「ミクちゃんとカナちゃんとリー子ちゃん」

薄いブルーのシャツに紺色のストールを巻いた純が3人を指差して名前を当てていく。

セットされた髪に端正な顔。純はいかにも女性にモテそうな顔をしていた。

「せいかーい」

リー子と美咲が席を立って、男女が交互に座るようにセッティングする。

未来とリー子の間に純、カナと美咲に間にメガネの北野、美咲のとなりの通路側にマー君が座った。

「久しぶり」

純が手をゲンコツにして未来の肩を軽くこづく。

「ジュンジュンさっそくミクじゃん!」

美咲はさっそく大声で指差す。

「挨拶しただけだろ」

純は顎が細く、笑うと目尻が下がる。

「うっわヤラシイ、今さりげなく触ってたもんね」

「やめてよ美咲ちゃん。俺そんなにガツガツしてないから」

「ミクとカナはピュアだから変な手出しとか禁止だから!」

自分で連れてきたくせに…

未来が小さくため息をつくと、純がスマホを取り出した。
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