藍と未来の一つ屋根の下
「パスタも美味しいんだけど、意外とアイスミルクティーが美味いんだよ。ここきたら皆アイスミルクティー頼むんだよね」

純はメニューを開くと未来に向けた。

「じゃあ…パスタはバジルとホタテのやつで、ドリンクはアイスミルクティーにする」

「俺はカルボナーラとアイスミルクティーで」

ウェイターにオーダーを告げると、純はグラスの冷たい水をグイッと飲んだ。

大学のサークルの話や趣味のDJの話、美咲の彼氏のマー君とメガネの北野とはクラブで知り合ったという。

「俺さ、料理は一人暮らし始めてからなんだけど、カルボナーラ得意なんだよね」

「作ったことない」

「料理上手なミクちゃんからしたら簡単すぎるかもしれないけどさ、結構奥が深いんだよ。失敗すると卵がボソボソに固まったりとかね。あとは粗挽きの黒胡椒使うのがコツ。これ結構大事だから」

「私ができるのおばーちゃんに教えてもらった料理ばっかりだから」

「じゃあパスタは俺が教えてあげる。まずはカルボナーラからね。ミクちゃんはチャーシュー作ってよ」

アイスミルクティーは本当に美味しかった。ミルクの層と紅茶の層が分かれていて、グラスの白とベージュのコントラストが綺麗だった。

この作り方覚えてママとばーちゃんに作ってあげたいな。きっとすごく喜んでくれる。

そんなことを考えながら未来はアイスミルクティーの写真を撮る。

藍に作ったらなんて言うだろう。

かずオッちゃんは私が初めてハンバーグ作ったとき泣いてたな。

藍の反応はどうだったかな。泣いてるオッちゃん見て笑ってたな。


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