藍と未来の一つ屋根の下
中一の春、藍のクラスメイトの田島と水戸部が家に来ると言った日。

藍は未来と手を繋いだ。

窓から入り込む夕方の湿った風や、見慣れた天井の木目。

でも未来の手は藍が知っているより随分小さく感じた。

一年半前のあの時よりも、未来の身体は大人になった気がする。グレーのニットで寝息をたてる未来の横顔を見て、藍は思う。

未来が小さくクシャミをした。

「起きた?」

藍が声をかけると未来は藍の方に寝返りをうった。

相変わらず、気持ちよさそうに寝息を立てている。

藍はため息をついて、着ていたダウンジャケットを未来にかける。そして未来と向き合った形で横になった。

未来の身体に腕を乗せる。

そのまま藍は目を閉じた。
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