藍と未来の一つ屋根の下
未来は微睡みから覚めようとしていた。

深い眠りの中から浮上しそうで、でもこのまま眠っていたい。

脚が寒いなと思った。

脚を曲げて身体に近づけるけど、冷たいままなのは変わらなかった。

反して上半身はとても暖かい。

未来は重い瞼をゆっくり開いた。

呼吸の音がする。

顔を上げると目を閉じた藍の顔が目に入った。

未来は藍のダウンジャケットに包まれて、その上を包むように藍が未来を抱いたまま寝ていた。


「藍」


小さく声をかけても、反応はなかった。

未来はそのまま目を閉じる。大きく息を吸い込むと、藍の匂いがした。
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