藍と未来の一つ屋根の下

大切にしたいからだよ

未来(みくる)が家に帰ると藍(あい)がいた。
ダイニングテーブルで参考書を開いている。

「藍…なんで?」

「今日もおっせーな」

「いいじゃん」

未来は藍から目をそらした。純の唇の感触が全身に残っている感じがして、罪悪感で藍を見ることができなかった。

「お風呂入ってくる」

「おう」

シャワーを捻るとボディタオルで身体を念入りに洗う。純の感触を流すように、未来は身体をゴシゴシ洗った。

髪から純の香水の匂いがする。

藍に気づかれてないよね?

なんで今日に限ってきてるの。

未来は泣きそうだった。

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