さよなら、Teacher
2.孤独感


「恵、お前未亜の紹介であの、丹下のとこ行ってるんだって?」

「うん、もう、二週間になるよ。

…あのってことは、有名なの?」


一ヶ月ぶりのデート。
恵は、目の前の焼肉を甲斐甲斐しく大翔(ひろと)の皿にとる。


「丹下のバカ息子っていったら、俺らの仲間内じゃ有名さ。

男が教えに行くと決まってケンカになるし、女が教えに行くと美人なら組み敷かれて一発ヤラれるか、ブスなら徹底無視されるって。 とにかくオンナ好きで生意気な悪ガキ」


「そうなんだ。じゃ、今は様子見なのかな。大丈夫そうだけどなぁ。まぁ私は美人じゃないし、これから無視されていくのかもね」


大翔は小さく笑って肉を食べ酒をあおる。散々食べ、会計はいつも全て恵が支払う。食事が済むとホテルに行く。そこの支払いも恵が済ませて、二人はホテルの前で別れる。

これが、月に一度のいつものデートコース。

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