さよなら、Teacher
ー若月恵か。まるで純粋培養の、今までにないタイプだな。
「ヒロくんならモテるでしょう?カッコいいものね」
「まーね。じゃ先生もういいかな?友達に呼ばれたからさー。毎週月、水、金だろ?
初日は明後日からっつーことで」
ヒロは、そう言って恵にヒラヒラと手を振り、出て行こうとした。
「待って、待って。
じゃ、明後日までにこの曲の和訳しておいて。単語調べて並べるだけでもいい。出来るところまででいいから」
「なんだよ、それ、宿題?
やだよ、やんねーよ、めんどくせぇ」
「まぁそう言わず。少しでいいから、ね?」
恵の微笑みに、ヒロは顔を背け、何も言わずに出て行った。