さよなら、Teacher
驚いた恵は体を離そうと抗う。
が、恵の体は広いヒロの胸の中にすっぽりと収まってしまっていて、動けない。
しかも、彼のキスは今まで経験した事ないほど情熱的で、のまれそうになってしまう。

長いキスの後、ヒロは放心状態の恵の頬に手を当て濡れた瞳を指で拭った。

「オレは二股なんてしやしない。あれは、皆、女友達。アイツらは互いの存在を知ってるしね。前に言ったろ?特定の彼女はいないって。
だから、安心してオレを使ってよ。ツライんだろ?

…淋しいんだろ?」


ヒロの言葉が恵の心の風穴に刺さった。

ー淋しい。淋しい。そう、私はずっと淋しい

ヒロの腕の中は暖かかった。優しく包まれていると、もう、何も考えたくなくなる。大翔のことを、未亜のことを、すぐにでも忘れてしまいたかった。
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